2008年10月アーカイブ
成人男性の3人に1人はおデブさん。40歳以上の3割以上は糖尿病。そして、食料の廃棄率は25%。病気になるほど食べて太って、余ったものは捨てちゃう始末。
一方で不足しがちの栄養素の代表格がビタミンである。だるい、疲れる、ストレスに負けそう。様々な心身の不調は、ビタミン不足が原因であることも少なくない。
基本的には野菜や果物、タンパク質、バランスのいい食事をしていれば、不調を招くまでのビタミン不足には陥らない。白米てんこもりの丼もの、ラーメン三昧、スイーツ命、添加物まみれの外食習慣、こんな食生活が微量栄養素であるビタミン不足の原因に。カロリー足りても栄養足りず。そんなことにならないように、バランスよい食生活を心がけよう。
マグネシウムを激減させるストレスを開放するためは、ジャンクフードから伝統的な日本食に切り替える。その他有効な習慣として、牛乳を控えること。
牛乳は動物性タンパク質を非常に多く含む酸性食品。摂りすぎれば、歯や骨からカルシウムが溶け出す「脱灰」が起こることも。また、多くのカルシウムを含んでいる一方、マグネシウムの含有量はその10分の1程度。カルシウムを牛乳ばかりで補給しようとすると、マグネシウムが不足する可能性もある。
毎日、牛乳を飲むこと。この習慣は大変健康に良さそうなイメージに捉えられているが、これだけではミネラルバランスを崩す原因のひとつであるというから驚きである。何事も偏らずに、バランスよく摂取すること。牛乳もあくまで嗜好品と捉えて飲むのが正解。
江戸時代の江戸で雑穀から白米を食べるようになり、大流行した「江戸患い」。現代名では脚気(多発性神経炎)と呼ばれる。
米ぬかなどに含まれるビタミンB1を排除したうえに、元々ビタミンB1を含む動物性食材、肉を食べる習慣のなかった日本人は、倦怠感や手足のしびれといった欠乏症状に苦しんだといわれる。
この病気、戦後国民の栄養状態の改善に伴い、今では駆逐されたように思われている。が、現代社会では、ジャンクフードなど食生活の乱れでビタミンの摂取量が減り、一方でストレスや喫煙、スポーツなとビタミンの必要量は増えている。血中ビタミン濃度の低下が続き、不定愁訴が現れることもある。これを『潜在性ビタミン欠乏症』という。若い女性の半分以上は潜在性ビタミンB1欠乏症という報告も。朝、起きたときに疲れを感じるひとは現代の脚気かも?
【働き/役割】リン(P/Phosphorus)
骨の主成分になる他に、広範囲の仕事をこなしている
◎1日の摂取基準量:成人男性1,050mg 成人女性900mg 上限3500mg
体内にあるミネラルで1番多いカルシウムに次いで多いのがリンである。身体の中にあるリンの約80%はカルシウムと結合してリン酸カルシウムとなり、骨や歯の主成分となっている。残りのリンは、筋肉の収縮に関与していたり、細胞の浸透圧の調整、心臓の働きや神経伝達をサポートする役割を持っているなど、とても広範囲に働いている。人には欠かすことのできないミネラルなのである。リンはインスタント食品、コンビニ弁当など、様々な食品に添加物として含まれているので、不足するということはまずない。気をつけなければならないのは過剰摂取。体内にリンが増えすぎると骨が弱くなったり、腎機能が低下してしまうので、添加物が多く入った食品は控えよう。
【働き/役割】マンガン(Mn/Manganese)
骨の形成を助けて、結合組織の合成にも関わる
◎1日の摂取基準量:成人男性4.0mg 成人女性3.5mg 上限11mg
体内に10mg程度存在しているマンガンは非常に微量なのだが、健康な身体を維持するのには欠かせないミネラルである。マンガンの働きは他のミネラルと協力し、骨の形成を助けること。そして、骨、間接の結合組織の合成にも補酵素としての役割を果たしている。また、糖質、脂質、タンパク質の代謝のために働く酵素の構成成分でもあり、エネルギーの産生にも関わっている。さらに、活性酸素を分解するスーパーオキシドジムスターゼの成分でもあり、細胞膜にある資質の酸化を防いでくれる。シンスリンや性ホルモンの分泌にも関与しているため、不足すると性機能の低下や糖尿病を引き起こす恐れがある。尚、マンガンは多くの食品に含まれているので心配する必要はない。
【働き/役割】Folic acid
生命の根源である核酸を作るのに欠かせない栄養素
◎水溶性
◎1日の摂取基準量:成人男性240μg 成人女性240μg 上限1000μg
タンパク質や細胞の新生に必要な核酸(RNA、DNA)を作るのに欠かせないのが葉酸である。核酸はいわば身体の設計図。ここに収められた情報に沿って様々な部位が作られていく。生命の根源といっても過言ではない。また、葉酸には赤血球の生成にも関わる。赤血球はできてから約4ヶ月で壊れてしまうが、葉酸が不足すると新たに赤血球を作ることができず、貧血になってしまう。さらには、胎児が発育する妊娠中や、乳児を育てる授乳中には葉酸が不可欠。妊娠初期に葉酸を適切に摂取することで、胎児の神経管欠損という先天異常のリスクを軽減できる。妊娠中は基準量の2倍の480μg、授乳期には360μgを摂取するのが理想。
- 牛レバー
赤血球をつくるために必須のビタミン。激しいトレーニングで不足することもあるので牛レバーなどで補給を。
【働き/役割】Biotin
皮膚と密接な関係があるビタミン、アトピー性皮膚炎の治療薬にも
◎水溶性
◎1日の摂取基準量:成人男性45μg 成人女性45μg
糖新生という体内でブドウ糖を再生するサイクルに補酵素として関わっているのがビオチンである。食欲がないときにビオチンを多く含む食品を食べると、エネルギー補給ができる。また、ビオチンは皮膚や爪と密接な関係を持っており、アトピー性皮膚炎の治療にも用いられたり、ネイルアートでも爪を美しくするなどの効果がある。さらにはアレルギー物質「ヒスタミン」の元となるヒスチジンを除去する効果もあるといわれている。ビオチンが欠乏すると皮膚炎や結膜炎が発症したり、爪がボロボロになり白髪や抜け毛が多くなる。様々な食品に含まれているが、代表的なのがイワシ、レバー、卵など。但し、卵は生だと腸管での吸収が妨げられてしまうので、茹でたり、焼いたりして食べよう。
- 卵
卵は生で食べるより、加熱調理をお勧め。加熱することによって、ビオチンを効率よくとれる。
【働き/役割】Pantothenic acid
副腎皮質ホルモンの産生を促し、抗ストレスビタミンとも呼ばれる
◎水溶性
◎1日の摂取基準量:成人男性6mg 成人女性5mg
コエンザイムAという補酵素がある。この成分がパントテン酸。パントテン酸は、脂質、糖質、タンパク質の代謝に関与していて、副腎皮質ホルモンの産生を促進させる働きを持っている。副腎皮質ホルモンは抗ストレスホルモンで、人がストレスを感じると、防御体制を整える。このため、パントテン酸は別名『抗ストレスビタミン』とも呼ばれる。さらにこのパントテン酸は善玉コレステロールを増やす役割もあり、生活習慣病から身体を守ってくれる。パントテンはギリシャ語で「広くいたるところにある」の意味。その名の通り、様々な食品に含まれ、腸内では細菌によって合成もされているので、不足することはほとんどない。
- 子持ちカレイ
魚の中でも子持ちカレイはパントテン酸がとくに豊富な食材。魚定食を食べるなら煮付けで決まり。
【働き/役割】マグネシウム(Mg/Magnesium)
カルシウム、リンとともに歯や骨の強化を促す
◎1日の摂取基準量:成人男性340~370mg 成人女性270~280mg
カルシウムやリンとともに骨や歯の強化を促しているのがマグネシウム。体内にある60%程度は骨に含まれ、残りは肝臓や血液、それと筋肉中でタンパク質と結合した形で存在している。300種類以上もある酵素の働きをサポートすると同時に、神経の興奮を抑えたり、筋肉の動きを正常に保つのもこのミネラルの仕事である。そのほか、血圧を正常にしたり、体温調節に関わるなどその働きは多岐にわたる。マグネシウムとカルシウムの割合は1対2程度がよいとされ、マグネシウム不足が続くと、動脈硬化、血圧上昇、心疾患のリスクが高まる。アルコールを多く摂取する人は不足しがち。食品では、魚介類、海藻類、種実類に豊富に含まれているので、和食を食べれば十分補える。
- 干しエビ
マグネシウムは体内で約300種類の酵素の働きを助ける働き者のミネラル。ナッツ類や干しエビなどから補給できる。 - 玄米
精白の段階で約3分の1に減ってしまうマグネシウム。便秘改善のためには玄米食にシフトしてしっかり摂りたい。 - カシューナッツ
カシューナッツなどのナッツ類はマグネシウムの宝庫。とくにアルコールを飲む人には不足しがち。酒飲みは要注意。 - アマランサス
南米原産の雑穀、アマランサスは未精製の穀物のなかでもマグネシウム含有量がダントツに多い。
【働き/役割】ナトリウム(Na/Natrium)
高血圧の大きな原因は、このミネラルの過剰摂取
◎1日の摂取基準量:成人男性10g未満 成人女性8g未満 上限8~10g
ナトリウムはカリウムとともに細胞の浸透圧を一定に保つために働いている。カリウムによってナトリウムの濃度は常に一定に保たれているのであるが、このナトリウムを過剰に摂取するとその機能が低下する(カリウム過多の状態)。こうなってしまうと、ナトリウムとともに水分まで細胞内に流れ込んでしまい、細胞は水ぶくれ状態になってしまう。これがいわゆる『むくみ』の起きるメカニズム。そして、パンパンに膨らんだ細胞によって血管が狭くなり、血管壁に大きな圧力がかかって高血圧を引き起こす。ナトリウムは血管を収縮させる役割もあるので、高血圧に拍車をかけてしまうのである。汗とともに体外へ出るナトリウムだが、現代人は過剰摂取気味であるので気をつけよう。
- ロースハム
過剰摂取に注意が必要。
